二日だけ咲いては落ちて花辛夷 ふつかだけさいてはおちてはなこぶし 【改】二日咲き二秒で落ちて花辛夷 これも違うな。 さくら咲く舳先は北へ隅田川 さくらさくへさきはきたへすみだがわ 政府観光協会! 春暑し老船頭の首根っ子 はるあつしろうせんどうのく…
東京に風立つころや蜆買う とうきょうにかぜたつころやしじみかう 兼題は「東京」。大層ムズカシイ。 鼻紙に包まるる東京花粉症 はなかみにくるまるるとうきょうかふんしょう ゴメンなさいね、他人事で。 背のびして脇腹かゆし其角の忌 せのびしてわきばらか…
犬が寝て人も寝ており春彼岸 いぬがねてひともねておりはるひがん ひらひらとやわらかく咲き豆の花 ひらひらとやわらかくさきまめのはな 薄くてひらひらと咲くスイートピー、切り花は案外長もちするのよ。 オオイヌノフグリ可愛いや恋すれば オオイヌノフグ…
脱ぎ捨てしセーターに似て猫日和 ぬぎすてしセーターににてねこびより だり〜ん、と寝てますね、猫は。 春寒やもう少しだけ猫を借る はるざむやもうすこしだけねこをかる 三寒四温、もう少しの辛抱。 影になり日向に落ちて猫の恋 かげになりひなたにおちてね…
接吻をせよと言う名の菫かな くちづけをせよというなのすみれかな 三色すみれを「Kiss Me Quick」と言うそうな……くちびる突き出して「んー」ってしてる顔。 バレンタインおとこの色目清々し バレンタインおとこのいろめすがしがし 色目が清々しいとは……。 「…
おかげさまで「ひとり句会」も2巡目です。いつもハイクにて☆をつけていただいてるみなさま、ありがとうございます。 朝寝する皺うつくしき寝顔かな あさねするしわうつくしきねがおかな 真結びの朝寝をほぐす珈琲香 まむすびのあさねをほぐすコーヒーか さす…
友来たり鍋より溢る冬菜かな ともきたりなべよりあふるふゆなかな 下手だ(笑)。もうちょっと何とかならんものか。 夜更けては街白くなり寒の雨 よふけてはまちしろくなりかんのあめ 浮気句会にて不調の1句名乗り。 散りやまぬ山茶花人も斯くの如 ちりやま…
艢綱を解けば男女に冬の波 ともづなをとけばだんじょにふゆのなみ モノクロ艶歌の世界。 昔男ありけり止まぬ咳をして むかしおとこありけりやまぬせきをして とっとと龍角散を飲むがいいです。 寝酒してからは無言で西東 ねざけしてからはむごんでにしひがし…
このごろは豆喰い切れず鬼やらい このごろはまめくいきれずおにやらい さすがにねぇ、喰えたもんじゃないです。○0粒も。 焚火囲いあちらとこちら二人称 たきびかこいあちらとこちらににんしょう 「焚火して呼びあう声や二人称」改メ。 かじかめる指折り数え…
風花というプレゼントあり睦月 かざばなというプレゼントありむつき 昨日のあられもない沈みっぷりから一転。 新雪にブーツ半分ほど埋まり しんせつにブーツはんぶんほどうまり 草色のコート拳を解かぬひと くさいろのコートこぶしをとかぬひと 半処女の胸の…
切り出せぬ話は胸に炭熾る きりだせぬはなしはむねにすみいこる 寒雷や寝て覚めて寝てまだ遠し かんらいやねてさめてねてまだとおし ひとたびに死を選ぶものあり寒鴉 ひとたびにしをえらぶものありかんがらす どうしようもない閉塞感……でも、ホントにダメな…
真夜中のコーヒー苦し冬の雨 まよなかのコーヒーにがしふゆのあめ 眠れないので。 友達と呼ぶあいまいさ時雨くる ともだちとよぶあいまいさしぐれくる 身のほどを知らぬ恋かも寒椿 みのほどをしらぬこいかもかんつばき セーターを目を閉じ抜ける暗夜かな セ…
誰が作りし雑煮あたためており夜半 たがつくりしぞうにあたためておりやはん 蕎麦と雑煮は関東風が好きです。 黙々と酒酌み交す五日かな もくもくとさけくみかわすいつかかな めでたさもそろそろ飽きがきて。 くちびるはヴァニラの匂い初寝覚 くちびるはヴァ…
煮ても焼いても食えぬ我が身ぞ初湯して にてもやいてもくえぬわがみぞはつゆして 本年もよろしくお願いいたします。 別れては御慶の声も憎きかな わかれてはぎょけいのこえもにくきかな たとえ別れても 大袈裟に咳してみたりひめはじめ おおげさにせきしてみ…
柚子湯して肩抱いているひとり風呂 ゆずゆしてかただいているひとりぶろ 夜冴えてロルカ読む手の冷えに冷え よるさえてロルカよむてのひえにひえ またぞろ夜乳房の林檎余らせて またぞろよるちぶさのりんごあまらせて てっちりを喰う痴話喧嘩果てて後 てっち…
ショール巻く昭和乙女の足早し ショールまくしょうわおとめのあしはやし 湯ざめしつ淡々悼句詠みにけり ゆざめしつたんたんとうくよみにけり あれ主の背中に似たり年の市 あれしゅうのせなかににたりとしのいち 片恋と片手袋の待ち合わせ かたこいとかたてぶ…
雪もよい隠れ遊びはさびしかり ゆきもよいかくれあそびはさびしかり 大人の遊びは、みなどこか寂しいもので。 木枯や手を繋ぐのも駄目といい こがらしやてをつなぐのもだめといい 寝がえりの足冷えており雪女 ねがえりのあしひえておりゆきおんな 「雪女」が…
短日や籠目籠目の籠のなか たんじつやかごめかごめのかごのなか 浮気句会にて。 麦蒔やどこからか風どこへ吹き むぎまきやどこからかかぜどこにふき 浮気句会にて。 風立ちて今日東では三の酉 かぜたちてきょうひがしではさんのとり 雑炊食う恋人の部屋東向…
おしなべて寝酒となりしヌーヴォかな おしなべてねざけになりしヌーヴォかな 短日や埠頭の犬の巻き尾かな たんじつやふとうのいぬのまきおかな 湯気の立つ散歩帰りや犬の尻 ゆげのたつさんぽがえりやいぬのしり 岡惚れも三年目なり酉の市 おかぼれもさんねん…
白橋やいざ手を切らん羽田まで はっきょうやいざてをきらん羽田まで 「切る」のがいちばんの思いやりってこともあるのです。 かぶら煮てひとりの夕餉つつましき かぶらにてひとりゆうげのつつましき 薄情な猫雲隠れ寒雀 はくじょうなねこくもがくれかんすず…
膝掛けは寸足らずなり独居かな ひざかけはすんたらずなりどっきょかな 浮気句会にて。 洗濯もの固く絞られ今朝の冬 せんたくものかたくしぼられけさのふゆ 浮気句会にて。 何もなきことさいわいや懐手 なにもなきことさいわいやふところで 懐手に弥蔵を決め…
雑踏や十一月の顔上げる ざっとうやじゅういちがつのかおあげる 浮気句会にて。思わぬ高得点でした。 いま東京上空欠けし冬の月 いまとうきょうじょうくうかけしふゆのつき 姪抱え猫を見にゆく一茶の忌 めいかかえねこをみにゆくいっさのき セーターに虫食い…
うかうかと大地の如く発熱す うかうかとだいちのごとくはつねつす 風邪に臥すラヂオ株式市況かな かぜにふすラヂオかぶしきしきょうかな あの抑揚のない不思議な物言いが、子供の頃の記憶にある。
竜胆や空そのまんま吸って咲け りんどうやそらそのまんますってさけ くちびるのはし切れかけて花芒 くちびるのはしきれかけてはなすすき 何度手を打つて殺めん秋の蚊や なんどてをうってあやめんあきのかや 末枯の川原に煙草を吸いに出る うらがれのかわらに…
あヽいう風に生きてみたしと秋桜 ああいうふうにいきてみたしとあきざくら 男の手に秋刀魚の脂光りあり おとこのてにさんまのあぶらひかりあり 男の手に抱かれなくとも温め酒 おとこのてにだかれなくともぬくめさけ 女のしょーもない意地です。 エノコログサ…
葡萄酒をこぼしても美し夕月夜 ぶどうしゅをこぼしてもうつくしゆうづきよ 竜胆やぶっきらぼうな恋をして りんどうやぶっきらぼうなこいをして 魔女として生きない箒で庭掃除 まじょとしていきないほうきでにわそうじ
竜胆の色濃くありて寂しかり りんどうのいろこくありてさびしかり 別れてのち初めて泣いて野分かな わかれてのちはじめてないてのわけかな 月曇り皿割り箸折り酒零し つきくもりさらわりはしおりさけこぼし 月高く狗尾草は踏みゆけり つきたかくえのころぐさ…
ケータイに指かけたまま寝待月 ケータイにゆびかけたままねまちづき
十六夜や腹丸く出し眠りけり いざよいやはらまるくだしねむりけり Dedicated to コレ(笑)。無防備っぷりがヨイ。 寝ころがる手に無花果この無防備さ ねころがるてにいちじくこのむぼうびさ 道草や掌中に柘榴ありがたき みちくさやしょちゅうにざくろありが…
稲妻を目蓋に見入る男女かな いなづまをまぶたにみいるだんじょかな 小鳥くる「今年はすこし寒そうね」 ことりくる「ことしはすこしさむそうね」 少しずつ遅れてくる朝もず鳴いて すこしずつおくれてくるあさもずないて 底紅や街いま雨に冷えゆきて そこべに…