静寂と月光
切干の如く我が身を湯に放つ
きりぼしのごとくわがみをゆにはなつ
旦那さんについて四十の残り福
だんさんについてしじゅうののこりふく
真夜中の蛇口気になる寝酒して
まよなかのじゃぐちきになるねざけして
静寂と月光
新年詠
去年今年グラスに残す金の泡
こぞことしグラスにのこすきんのあわ
名も知れぬ女叱りて初寝覚め
なもしれぬおんなしかりてはつねさめ
待人は来るのそれとも初みくじ
まちびとはくるのそれともはつみくじ
羽良上詠月に寄す。
羽良上詠月に寄す。
臆面なく愛だの口にして良夜
おくめんなくあいだのくちにしてりょうや
末枯れを月の薄刃で削いでいる
うらがれをつきのうすばでそいでいる
露のよやこよい名で呼び名で呼ばれ
つゆのよやこよいなでよびなでよばれ