2007-01-01から1年間の記事一覧

さびしさを悟られまひぞふぐ誘ふ さびしさをさとられまいぞふぐさそう 誘うくせに自前じゃないのが我ながら図々しい。 のうさぎのこけつまろびつ冬田かな のうさぎのこけつまろびつふゆだかな 子どもの絵本のよう。

日々急いて羽子板市に散財す ひびせいてはごいたいちにさんざいす

懇ろに夫なき寝床懐手 ねんごろにつまなきねどこふところで 独り寝の淋しさにムッとしながら。 湯ざめしてまたたき寒しオリオン座 ゆざめしてまばたきさむしオリオンざ 双子座流星群は見逃した!

キツネ追うようだ飛んで乗るタクシー キツネおうようだとんでのるタクシー

風花や見たか見たかと言ふばかり かざばなやみたかみたかというばかり 年内はどうやら暖かいようですな。

政風会句集

かじかみて風待つ夜や寒の月 かじかみて「ふぅ」まつよるやかんのつき おでん屋の水割りの濃き良夜かな おでんやのみずわりのこきりょうやかな また詠んだら追加します。

寒雷や恋の体の底冷えぬ かんらいやこいのからだのそこひえぬ

爪を研ぐネコ流線型冬日和 つめをとぐネコりゅうせんけいふゆびより

鼻風邪でミルクセーキよ下戸だもの はなかぜでミルクセーキよげこだもの ウソつけ。

忘らるるまでの軽さや冬紅葉 わすらるるまでのかろさやふゆもみじ

冬すみれ男五十の衝動買い ふゆすみれおとこごじゅうのしょうどうがい 何が彼をそうさせたのか。

冬めくやひだるい猫の半眼 ふゆめくやひだるいねこのはんまなこ 猫、かわいいやね。

冬の朝たまごシリアル吾は素足 ふゆのあさたまごしりあるあははだし 冬の起きぬけの裸足はちょっとした快感。5分以上は無理だけど。

目に見えぬものは抱けぬ鎌鼬 めにみえぬものはいだけぬかまいたち 咳をして咳をして耳熱くなる せきをしてせきをしてみみあつくなる

風邪は今やさしい声が抱いている かぜはいまやさしいこえがだいている ……んですよ。

こと果てて咳をしてみる冬の月 ことはててせきをしてみるふゆのつき

パゥル・ツェランのこと思ふたり冬の川 パゥル・ツェランのことおもうたりふゆのかわ セーヌ川ではなく、多摩川ですが。

半睡の嚔をひとつ北枕 はんすいのくさめをひとつきたまくら

冬の雨かたりと音のして寂し ふゆのあめかたりとおとのしてさびし

空ッかぜ鉄の味する乙なこと からっかぜてつのあじするおつなこと ん……荒れたくちびるは早めに治しましょうネ。

逆立って寝っ転がって草紅葉 さかだってねっころがってくさもみじ その「逆立って寝っ転がって」るのは誰あらんワタクシ。

寒雷や戀の体躯の底冷えぬ かんらいやこいのからだのそこひえぬ

かさかさと竜胆の鳴る西の部屋 かさかさとりんどうのなるにしのへや

秋茄子や36.5度の恋 あきなすやさんじゅうろくてんごどのこい 斜交ひに月を見てをり師と弟子と はすかいにつきをみておりしとでしと 「お月見句会」無事終了をコトホいで。ありがとうございました。

お月見句会:選句一覧(敬称略・数字は得票数)

【1席】思う君は東京にあり星月夜(4) 作者:田畑春牛 選者:弦月、酔月、は月、山下 句評:ストレートすぎる!好きだ!(弦月) 同じ空を見上げる……遠距離恋愛か、片思いか。(酔月) 東京以外の方の句だと邪推しているのですが、どうでしょう?(は月) …

桃包む新聞今日もみな生きて ももくるむしんぶんきょうもみないきて 浮気句会にて「哲学的」との評をいただく。 たましいの透けるままにと冬瓜煮 とうがんをにるたましいもすけるまで 「冬瓜を煮るたましいも透けるまで」から推敲。

どこを切ろうかコスモス畑で揺れている どこをきろうかコスモスばたけでゆれている 自由律俳人の伯母の句と写真。 こすもすや風吹くままに揺れてみる こすもすやかぜふくままにゆれてみる 花の重さに、微風に乱れ絡む茎。可憐さ<じれったさ。

秋の蚊を目ばかりで追ふ祇園かな あきのかをめばかりでおうぎおんかな

【お月見句会 開句】 艫綱を解いて寂しき雨の月 ともづなをといてさびしきあめのつき ゲヴェルツトラミネール月も葡萄色 ゲヴェルツトラミネールつきもぶどういろ 沙魚落ちて月の突堤風強し はぜおちてつきのとっていかぜつよし 月光の厨に立ちて秋刀魚焼く …

朝露を欲しがつてみる朝まだき あさつゆをほしがってみるあさまだき 蓮の蕾のね。 上品に身を毟らるる秋刀魚かな じょうひんにむをむしらるるさんまかな