2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

第365回 浮気句会

かくも長きだんまり愉し夏氷 かくもながきだんまりたのしなつごおり 冷し中華はじめましたと達筆で ひやしちゅうかはじめましたとたっぴつで 近所の中華屋さんのお品書き。美味しかったら言うことないんだけど。 裸子と汗かき競ふ午后三時 はだかごとあせか…

香水の匂ひより先おんな起つ こうすいのにおいよりさきおんなたつ

雑音の深夜ラジオや夏の風邪 ざつおんのしんやらじおやなつのかぜ

香水もつけず着衣で行為して こうすいもつけずちゃくいでこういして 個人的愛情確認兼繁殖行動を詠むことに、迷いはあります。詠むけどね。

顎ひいて泡吹き啜る麦酒かな あごひいてあわふきすするばくしゅかな

浮いてこいひと呼吸あり水走る ういてこいひとこきゅうありみずはしる

寝冷えの子あいだに寝かせ家庭不和 ねびえのこあいだにねかせかていふわ それでも川の字。

第364回 浮気句会

青鬼灯まだ見も知らぬ恋の先 あおほおずきまだみもしらぬこいのさき 躯の芯が赤くなり、熱くなり、やがては心まで透けてしまうのだ。 かなぶんぶ飛び込みて知る夜の底 かなぶんぶとびこみてしるよるのそこ 昼顔や髭が蜜豆おかわりす ひるがおやひげがみつま…

足首の白きは冷えぬ干潟かな あしくびのしろきはひえぬひがたかな

鱧の骨切りて涼しと言うや妾 はものほねきりてすずしというやしょう 妾は吾に非ず。彼女、鱧の骨切りの音が好きなんだって。

後朝の松葉牡丹は暗く咲く きぬぎぬのまつばぼたんはくらくさく

肌ぬぎの無精髭かな三社祭 はだぬぎのぶしょうひげかなさんじゃさい ヒゲ句が続く。 ビール啜り耳順となるやおぼろ髭 びーるすすりじじゅんとなるやおぼろひげ ヒゲ句が続く。

唐黍の髭むしりとる鬼の顔 とうきびのひげむしりとるおにのかお まさに「鬼婆」の形相で。 剃りあとに子は手を伸ばし引つ込めて そりあとにこはてをのばしひっこめて

氷掻くそば老猫の髭ふるへ こおりかくそばおいねこのひげふるえ 髭のびて吾子は抱つこを嫌々し ひげのびてあこはだっこをいやいやし 吾子はS師の娘。わたしにも経験がある。髭のだっこは女のトラウマ。