2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧
指先に雨の匂いの鮎落ちて ゆびさきにあめのにおいのあゆおちて 颱風や我が胃の腑まで流しゆけ たいふうやわがいのふまでながしゆけ 別れくる秋の日傘の重みかな わかれくるあきのひがさのおもみかな 浮気句会にて。概ね高評、有難し。 彼はまたそれを見に行…
釣りにゆく男乙女座ばかりかな つりにゆくおとこおとめざばかりかな 「いい加減にしよし!」と怒ってる間はまだ愛があると思って下さい。
天の川すり抜けてゆく命かな あまのかわすりぬけてゆくいのちかな 寝返りの息長々し半月夜 ねがえりのいきながながしはんつきよ スカートの裾ひるがえし夏果つる スカートのすそひるがえしなつはつる 約束を破りひとりの良夜かな やくそくをやぶりひとりのり…
終わりなきこと皺の手で青蜜柑(祖父に) おわりなきことしわのてであおみかん 浮気句会にて。 歪みいる柘榴の中に悪魔いて ひずみいるざくろのなかにあくまいて 颱風の目に見つめらる窓辺にて たいふうのめにみつめらるまどべにて 浮気句会にて。 葡萄ひと…
八月はものみなピンでとめられて はちがつはものみなピンでとめられて 今日からは残暑と筆の進まざり きょうからはざんしょとふでのすすまざり 秋立てどいつも通りの鼻の汗 あきたてどいつもどおりのはなのあせ 青無花果ひとつ落として夜の雨 あおいちじくひ…
寝冷えするだるい根っこを傍らに ねびえするだるいねっこをかたわらに
幾億のいのち折り積みヒロシマ忌 いくおくのいのちおりつみヒロシマき
西日さすさっきからもの言わぬ首 にしびさすさっきからものいわぬくび 鮎ほども身を曲げられて焙られて あゆほどもみをまげられてあぶられて 糠に茄子うずめて夜はひとりで寝 ぬかになすうずめてよるはひとりでね (Mの流産を見舞う) 咲くほどに実は二つ三…
水盤に嵐は去りて蓮の花 すいばんにあらしはさりてはすのはな 冷や酒をぬるくしてまで句会かな ひやざけをぬるくしてまでくかいかな 酔い臥して金魚の如きものとなる よいふしてきんぎょのごときものとなる アップアップしながら。 不和ありて泡まで苦し黒麦…
谷中へと向かふ浮き足圓朝忌 やなかへとむかううきあしえんちょうき 吹く風に頬打たれたり鬼蜻蜓 ふくかぜにほおうたれたりおにやんま 白雨きて言葉の端の遠くなり はくうきてことばのはしのとおくなり 見上げれば新宿卒塔婆夕焼かな みあげれなしんじゅくそ…