2010-01-01から1年間の記事一覧

浮気句会

画用紙に滴る金や稲穂波がようしにしたたるきんやいなほなみ 改札を飛び出してきて初時雨かいさつをとびだしてきてはつしぐれ 茶の花や婆呼びにくる婆の声ちゃのはなやばばよびにくるばばのこえ これが茶の花。さすがツバキ科、なヴィジュアルですな。

浮気句会

干柿や母の小言のまた途切れほしがきやははのこごとのまたとぎれ 月の雨ぽつりと昔話かなつきのあめぽつりとむかしばなしかな 秋暑し鳩と木陰を分け合へりあきあつしはととひかげをわけあえり

浮気句会

秋の蚊やふらと来てまたふらと去ぬあきのかやふらときてまたふらといぬ 無花果の熟れる如くに恋をせりいちじくのうれるごとくにこいをせり グラス干しつ骨焼けるまでの一時間グラスほしつほねやけるまでのいちじかん

浮気句会

秋暑し誕生石はみどり色あきあつしたんじょうせきはみどりいろ 桃食つて何かに後ろめたきかなももくってなにかにうしろめたきかな 人体の沸点近し残暑かなじんたいのふってんちかしざんしょかな 要再考。

浮気句会

天花粉まぶされし子の尻まろくてんかふんまぶされしこのしりまろく 我が打つ蚊よ我を打つ手のひらよわれがうつかよわれをうつてのひらよ 偉丈夫の蜜豆の蜜吸い終えしいじょうぶのみつまめのみつすいおえし 「おっさんと甘味」は夏の風物詩だと思っているフシ…

浮気句会

遅配達待つて麦茶のぬるくなりちはいたつまってむぎちゃのぬるくなり 日焼けあと掻き掻き来たる集金人ひやきあとかきかききたるしゅうきんにん 桃色の耳こそばゆし合歓の花ももいろのみみこそばゆしねむのはな 合歓の花。

月齢二十五句会

夕立やもうがむしやらの年でなしゆうだちやもうがむしゃらの年でなし 白玉をふくめる頬の白きものしらたまをふくめるほおのしろきもの 夏帯に自惚れ巻いてゆく日かななつおびにうぬぼれまいてゆくひかな 吐き惑ふ雪ケ谷大塚鹿ノ子百合はきまどうゆきがやおお…

浮気句会

髪洗ひつつゆつくりと透けてゆくかみあらいつつゆっくりとすけてゆく 青嵐や波は裏地を見せてをりせいらんやなみはうらぢをみせており 満ち足りて今年も薄着五月かなみちたりてことしもうすぎごがつかな

浮気句会

風乾くともビールまだまだ麦の秋かぜかわくともビールまだまだむぎのあき 何を思ってか「麦重ね」。 古き茶や茶粥を炊いて母を呼びふるきちゃやちゃがゆをたいてははをよび 何を思ってか「茶重ね」。 ビアガーデン枝豆うまく弾かれて 最後はスタンダードな「…

浮気句会

朧夜や鼻かむ音の遠くありおぼろよやはなかむおとのとおくあり 摘み草や母への道は遠くなりつみくさやははへのみちはとおくなり ジーンズの尻に擦れし蓬かなジーンズのしりにこすれしよもぎかな

明日あたりはきっと春

春愁や首の黒子を掻いて寝るしゅんしゅうやくびのほくろをかいてねる 露天湯や逆さ円錐形の我ろてんゆやさかさえんすいけいのわれ 野良猫の逢曵き手配つくしんぼのらねこのあいびきてはいつくしんぼ

浮気句会

病床に耳朶透ける子や春うららびょうしょうにじだすけるこやはるうらら 春霰に打たれし土の匂ひかなしゅんさんにうたれしつちのにおいかな

浮気句会

古稀母の指より零る雛あられこきははのゆびよりこぼるひなあられ襟足のすこし弛んで花辛夷えりあしのすこしゆるんではなこぶしマフラーに男が匂ふ余寒かなマフラーにおとこがにおうよかんかな

浮気句会

さしあたり無事で何より桜鍋さしあたりぶじでなによりさくらなべ無職なる軽さに耐えて日向ぼこむしょくなるかるさにたえてひなたぼこ吸殻に未練ありあり冬菫すいがらにみれんありありふゆすみれ

浮気句会《新年詠》

早々に指切られたり初暦そうそうにゆびきられたりはつごよみ初旅やみじかい箸にぬるいお茶はつたびやみじかいはしにぬるいおちゃ立ち食いの蕎麦待つ二分懐手たちぐいのそばまつにふんふところで

ひとり句会:冬(2010)

止まり木の会話途切れし寒鴉とまりぎのかいわとぎれしかんがらす湯ざめして眠りの淵の遠ざかりゆざめしてねむりのふちのとおざかり

穴宿句会《新年詠》

旅初む始発に耳の目覚めたるたびはじむしはつにみみのめざめたる去年今年終日ダイヤ始発なくこぞことししゅうじつダイヤしはつなく初湯して生まれ変われるうなじかなはつゆしてうまれかわれるうなじかな会話途切れ電話の向こう冬の雷かいわとぎれでんわのむ…

新年詠

おめでとうに「さん」をつけたし今朝の春おめでとうに「さん」をつけたしけさのはる あけましておめでとうございます。本年もMondreitmädchenを宜しくご贔屓に。 lazyhip 拝