ひとり句会:冬

ショール巻く昭和乙女の足早し
ショールまくしょうわおとめのあしはやし


湯ざめしつ淡々悼句詠みにけり
ゆざめしつたんたんとうくよみにけり


あれ主の背中に似たり年の市
あれしゅうのせなかににたりとしのいち


片恋と片手袋の待ち合わせ
かたこいとかたてぶくろのまちあわせ


あの顔で四十代とや漱石忌
あのかおでしじゅうだいとやそうせきき
漱石先生ゴメンナサイ……でも、あの顔で四十代って(←しつこい)


生きて何ぞ叫んでいるか冬の鵙
いきてなんぞさけんでいるかふゆのもず