2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ひとり句会:春

左目の腫れもの熱き桜桃 ひだりめのはれものあつしゆすらうめ 春の闇ちいさく低く咳をする はるのやみちいさくひくくせきをする 乙女座のおとこは憎し目借時 おとめざのおとこはにくしめかりどき 我もまた憎まれて在る暮の春 文覚の溺れるまでの春の雨 もん…

ひとり句会:春

解き放つものの芽すべて濡れてらし ときはなつもののめすべてぬれてらし 野に放つ火の如く吾は恋をせり のにはなつひのごとくあはこいをせり 恋鹿の恋始まりぬ落し角 こいじかのこいはじまりぬおとしづの 声あげて呼べども淡き春の月 こえあげてよべどもあわ…

ひとり句会:春

菜の花の雨今しずか吾子眠る なのはなのあめいましずかあこねむる 海棠の花教えられ恋に落ち かいどうのはなおしえられこいにおち 「海棠」を知ってる男ってだけで惚れちゃうわ。 海苔焼いて白飯に載せうほほほほ のりやいてしろめしにのせうほほほほ 日本に…

ひとり句会:春

叫んでも振り向かぬ背中春の夢 さけんでもふりむかぬせなかはるのゆめ 輪郭の定まらぬきみと朝寝する りんかくのさだまらぬきみとあさねする スッピンだっていいじゃない。 緑陰に絶え絶えとあり病めるひと りょくいんにたえだえとありやめるひと おだいじに…

ひとり句会:春

川端のまぶしき緑柳の芽 かわばたのまぶしきみどりやなぎのめ 夜明けより黙ることなし鳥の恋 よあけよりだまることなしとりのこい すみれ草指さすだけのきみの指 子どもらが手を振るように豆の花 こどもらがてをふるようにまめのはな ひらひらと。 雲わけて…

ひとり句会:春

のどけさや親の尾を咬む子猫かな のどけさやおやのおをかむこねこかな かき曇る羽田は閉鎖春嵐 かきくもるはねだはへいさはるあらし 羽田空港の閉鎖がよほど堪えたらしい。 あらそわぬ夜のぶらんこうち笑い あらそわぬよるのぶらんこうちわらい 春の波航路難…

ひとり句会:春

安からんことを四月は思い出し やすからんことをしがつはおもいだし 春灯洩る隣家ほどなく別居せり しゅんとうもるりんかほどなくべっきょせり 春嵐や途方に暮れしモノレール しゅんらんやとほうにくれしものれーる 羽田閉鎖で立ち往生……東京は大変だったそ…

ひとり句会:春

うたた寝に話しかけてる春の宵 うたたねにはなしかけているはるのよい 長閑さやモンロー定規透かし見る のどかさやもんろーじょうぎすかしみる モンロー定規……わかるかなァ?わかんねェだろうなァ(Dedicate to 松鶴家千とせ)。恋猫は顔洗うさえ悩ましき こ…

ひとり句会:春

頁開けボンヤリボンヤリ春灯下 ぺーじあけぼんやりぼんやりしゅんとうか 【推敲】表紙閉じボンヤリボンヤリ春灯下 春服や配色淡き花の人 しゅんぷくやはいしょくあわしはるのひと 桜湯や解れるまでの泣き笑い 【推敲】桜湯のほぐれるまでの泣き笑い 春愁や遠…

ひとり句会:春

産んだ子も産まない子にもしゃぼん玉 うんだこもうまないこにもしゃぼんだま しゃぼん玉ひとの気配のそこここに しゃぼんだまひとのけはいのそこここに 雨しとど花の骸の憎々し はなしとどはなのむくろのにくにくし 掃除する身としてはね。

ひとり句会:春

サンダルを素足ではいて春深し さんだるをすあしではいてはるふかし 花の雨ふたりは舫い濡れてゆく はなのあめふたりはもやいぬれてゆく 詠み返してもイヤな句だわ……小恥ずかし。 風光るオレンジ色のまぶた裏 かぜひかるおれんじのいろのまぶたうら こりゃ「…

ひとり句会:春

惜春や葡萄酒色の夜の涯 せきしゅんやぶどうしゅいろのよるのはて きみの顔の黒子も好きで春の夜 きみのかおのほくろもすきではるのよる あんまり数えると増えるからヤメレ。 口喧嘩ボードの乾き春波荒る くちげんかぼーどのかわきしゅんぱある その恋に助太…

ひとり句会:春

一升瓶のトルソーに似て春惜しむ いっしょうびんのとるそーににてはるおしむ キャンティ型のワインの瓶の方が艶かしいけどな。 初花や返事のなきは良しとする はつはなやへんじのなきはよしとする 春雷に寄り合いの酒鎮まりぬ しゅんらいによりあいのさけし…

ひとり句会:春

洗濯はまだ素手ならん春の水 せんたくはまだすでならんはるのみず 浮気句会にて。我が家は未だに2槽式の洗濯機ですから。 さえずりの途絶えてひとり山の径 さえずりのとだえてひとりやまのみち 浮気句会にて。 猫よけて炬燵かたづくお昼前 ねこよけてこたつ…

ひとり句会:春

遠巻きに猫つけまつげ八重桜 とおまきにねこつけまつげやえざくら 暗誦の手許の暗さ花冷えぬ あんしょうのてもとのくらさはなひえぬ 春寒や若筍焼きのほろ苦さ しゅんかんやわかたけやきのほろにがさ 男とは辛抱知らぬ桜かな おとことはしんぼうしらぬさくら…

ひとり句会:春

おおらかやはためく御襁褓山笑う おおらかやはためくおむつやまわらう ビバ!布オムツ! 声かけて散り散りとなる桜かな こえかけてちりぢりとなるさくらかな けさ咲いてあす散りそめぬ桜かな けささいてあすちりそめぬさくらかな 嫁入りては静かなるかな万愚…

ひとり句会:春

我が師、のたまわく。 たくさん詠んで、たくさん捨てなさい。 恋といっしょだよ。 何故それをエイプリル・フールに言うのですか(笑)? - 巴旦杏おんなひとりの生業かな はたんきょうおんなひとちのたつきかな ふらここの微動す先にのぼる月 ふらここのびど…