ひとり句会:秋

あヽいう風に生きてみたしと秋桜
ああいうふうにいきてみたしとあきざくら


男の手に秋刀魚の脂光りあり
おとこのてにさんまのあぶらひかりあり


男の手に抱かれなくとも温め酒
おとこのてにだかれなくともぬくめさけ
女のしょーもない意地です。


エノコログサ抱くに抱けない人の在る
エノコログサだくにだけないひとのある
エノコログサ=狗尾草=猫じゃらし。


折れぬよう倒れぬようにアワダチソウ
おれぬようたおれぬようにアワダチソウ


黙りこくって帰り支度や秋つばめ
だまりこくってかえりじたくやあきつばめ


日暮れての暗きを知らず栗むけり
ひぐれてのくらきをしらずくりむけり