2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧
愛憎が本気になるも大暑かな あいそうがほんきになるもたいしょかな 別れの日アカシア煙るように咲く わかれのひアカシアけむるよういさく 夏の恋波のかたちに居眠りぬ なつのこいないのかたちにいねむりぬ 四十路きて鰻弁当の重みかな よそじきてうなぎげん…
二十歳より酒あるうちの冷奴 はたちよりさけあるうちのひややっこ 其角に捧ぐ。 非日常を干すアロハシャツ翻る ひにちじょうをほすアロハシャツひるがえる ガス橋や浴衣娘の脛が往く ガスばしやゆかたむすめのすねがゆく こころあらず低く高くや夏の蝶 ここ…
昨日今日明日散り咲くや百日紅 きのうきょうあすちりさくやさるすべり ばら線に引ッ掛かっては夏の雲 ばらせんにひッかかっているなつのくも 痴話喧嘩誰かを名指し夜蝉鳴く ちわげんかだれをかなざしよぜみなく 初めての舌を吸われしラムネ瓶 はじめてのした…
初蝉やエンジンかかるまでの数分 はつせみやエンジンかかるまでのすうふん 待つ気持ちいま向日葵と同じ丈 まつきもちいまひまわりとおなじたけ うつぶせてSandburgと花火聞く うつぶせてサンドバーグとはなびきく 手のひらのメロン熟れ落つ午前二時 てのひら…
不可思議は紺の水着の中にあり ふかしぎはこんのみずぎのなかにあり 水匂う母性たらたら滴りて みずにおうぼせいたらたらしたたりて 今朝は誰を抱きしめようか鉄線花 けさはだれをだきしめようかてっせんか 鉄線花=クレマチス。 初蝉や鼓動は薄目をあけて聞…
【酔月句】 夏痩せて男女のことはそれっきり なつやせてだんじょのことはそれっきり 滋養とかいう文字かすむ夏痩せて じようとかいうもじかすむなつやせて 帰るのか言葉それっきり水の月 かえるのかことばそれっきりみずのつき 愛荒れて実梅ばらばら我に降り…
しあわせはプールの底に眠る夢 しあわせはプールのそこにねむるゆめ 紅さす指ジンジン痛め鬼灯市 べにさすゆびジンジンいためほおづきいち 白南風やきみの胸から風生まる しろはえやきみのむねからかぜうまる 茨の花眠るに惜しき倫理あり ばらのはなねむるに…
無精卵抱いて飛び込む夏の空 むせいらんだいてとびこむなつのそら 天気予報湧き立つ「きょうも夏日です」 てんきよほうわきたつ「きょうもなつびです」 ふらついて日向の蟻を踏みにけり ふらついてになたのありをふみにけり 土用波膝から崩れゆくような どよ…
【七夕30分5本勝負!】 星合の眼下ほどなく天空橋 ほしあいのがんかほどなくてんくうばし 七夕や小病を得て月白し たなばたやしょうびょうをえてつきしろし 二星逢う夜河の流れの轟々と にせいあうやがのながれのごうごうと 星合てすぐ別れたり橋の上 ほしあ…
梅雨明けぬ今宵男のクライシス つゆあけぬこよいおとこのクライシス 打ち捨てていいもの数多土用波 うちすてていいものあまたどようなみ 五十代あはは似合わぬアロハシャツ ごじゅうだいあははにあわぬアロハシャツ 夏風邪に浮かされている膝頭 なつかぜにう…
ひと疲れ梅酒ロックで飲み干せり ひとづかれうめしゅロックでのみほせり 下戸の母の漬けた梅酒で酔っており げこのははのつけたうめしゅでよっており 空港の別れビールがぬるくなり くうこうのわかれビールがぬるくなり 半夏きて女子高生に翼あり はんげきて…
手の中で砕けてしまえ去年の蝉 てのなかでくだけてしまえこぞのせみ 夏服に冷えた乳房を押し込めり なつふくにひえたちぶさをおしこめり 夏草にくるぶし沈む土手の午 なつくさにくるぶししずむどてのひる 【推敲】夏草にくるぶしすすぐ土手の午 寝覚めても寝…
飲み込まれゆく四肢白し夏の波 のみこまれゆくしししろしなつのなみ 愛されず愛しもせずで薄暑かな あいされずあいしもせずではくしょかな 地鳴して羽田に夜蛾の降り立てり じなりしてはねだにやがのおりたてり 阿鼻叫喚の別れ話や蕗折れり あびきょうかんの…