ひとり句会:秋

稲妻を目蓋に見入る男女かな
いなづまをまぶたにみいるだんじょかな


小鳥くる「今年はすこし寒そうね」
ことりくる「ことしはすこしさむそうね」


少しずつ遅れてくる朝もず鳴いて
すこしずつおくれてくるあさもずないて


底紅や街いま雨に冷えゆきて
そこべにやまちいまあめにひえゆきて
底紅=ムクゲの花。


柘榴食んで昨夜獣となりしかな
ざくろはんでゆうべけものとなりしかな