ひとり句会:冬

艢綱を解けば男女に冬の波
ともづなをとけばだんじょにふゆのなみ
モノクロ艶歌の世界。


昔男ありけり止まぬ咳をして
むかしおとこありけりやまぬせきをして
とっとと龍角散を飲むがいいです。


寝酒してからは無言で西東
ねざけしてからはむごんでにしひがし


遠火事や二秒で曇る窓ガラス
とおかじやにびょうでくもるまどガラス
江戸っ子ではないが半鐘がジャンと鳴ればそりゃっ!と駆け出す性分で。


冬の星地上に戻るまでの恋
ふゆのほしちじょうにもどるまでのこい
SF的。


冬すみれ風の中では眼を閉じよ
ふゆすみれかぜのなかではめをとじよ