2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ひとり句会:秋

うかうかと大地の如く発熱す うかうかとだいちのごとくはつねつす 風邪に臥すラヂオ株式市況かな かぜにふすラヂオかぶしきしきょうかな あの抑揚のない不思議な物言いが、子供の頃の記憶にある。

ひとり句会:秋

竜胆や空そのまんま吸って咲け りんどうやそらそのまんますってさけ くちびるのはし切れかけて花芒 くちびるのはしきれかけてはなすすき 何度手を打つて殺めん秋の蚊や なんどてをうってあやめんあきのかや 末枯の川原に煙草を吸いに出る うらがれのかわらに…

ひとり句会:秋

あヽいう風に生きてみたしと秋桜 ああいうふうにいきてみたしとあきざくら 男の手に秋刀魚の脂光りあり おとこのてにさんまのあぶらひかりあり 男の手に抱かれなくとも温め酒 おとこのてにだかれなくともぬくめさけ 女のしょーもない意地です。 エノコログサ…

ひとり句会:秋

葡萄酒をこぼしても美し夕月夜 ぶどうしゅをこぼしてもうつくしゆうづきよ 竜胆やぶっきらぼうな恋をして りんどうやぶっきらぼうなこいをして 魔女として生きない箒で庭掃除 まじょとしていきないほうきでにわそうじ

ひとり句会:秋

竜胆の色濃くありて寂しかり りんどうのいろこくありてさびしかり 別れてのち初めて泣いて野分かな わかれてのちはじめてないてのわけかな 月曇り皿割り箸折り酒零し つきくもりさらわりはしおりさけこぼし 月高く狗尾草は踏みゆけり つきたかくえのころぐさ…