ひとり句会:秋

竜胆や空そのまんま吸って咲け
りんどうやそらそのまんますってさけ


くちびるのはし切れかけて花芒
くちびるのはしきれかけてはなすすき


何度手を打つて殺めん秋の蚊や
なんどてをうってあやめんあきのかや


末枯の川原に煙草を吸いに出る
うらがれのかわらにたばこをすいにでる
火の用心。


沙魚釣りは男の遊び雨よ降れ
はぜつりはおとこのあそびあめよふれ
何が楽しいんだか。


おまえとは終わったのだよ蕎麦の花
おまえとはおわったのだよそばのはな


夜匂う木犀恋は始まりぬ
よるにおうもくせいこいははじまりぬ
山梔子に比べればさほどもないけれど、金木犀の香も悩ましい。