2008-01-01から1年間の記事一覧
初蝉やエンジンかかるまでの数分 はつせみやエンジンかかるまでのすうふん 待つ気持ちいま向日葵と同じ丈 まつきもちいまひまわりとおなじたけ うつぶせてSandburgと花火聞く うつぶせてサンドバーグとはなびきく 手のひらのメロン熟れ落つ午前二時 てのひら…
不可思議は紺の水着の中にあり ふかしぎはこんのみずぎのなかにあり 水匂う母性たらたら滴りて みずにおうぼせいたらたらしたたりて 今朝は誰を抱きしめようか鉄線花 けさはだれをだきしめようかてっせんか 鉄線花=クレマチス。 初蝉や鼓動は薄目をあけて聞…
【酔月句】 夏痩せて男女のことはそれっきり なつやせてだんじょのことはそれっきり 滋養とかいう文字かすむ夏痩せて じようとかいうもじかすむなつやせて 帰るのか言葉それっきり水の月 かえるのかことばそれっきりみずのつき 愛荒れて実梅ばらばら我に降り…
しあわせはプールの底に眠る夢 しあわせはプールのそこにねむるゆめ 紅さす指ジンジン痛め鬼灯市 べにさすゆびジンジンいためほおづきいち 白南風やきみの胸から風生まる しろはえやきみのむねからかぜうまる 茨の花眠るに惜しき倫理あり ばらのはなねむるに…
無精卵抱いて飛び込む夏の空 むせいらんだいてとびこむなつのそら 天気予報湧き立つ「きょうも夏日です」 てんきよほうわきたつ「きょうもなつびです」 ふらついて日向の蟻を踏みにけり ふらついてになたのありをふみにけり 土用波膝から崩れゆくような どよ…
【七夕30分5本勝負!】 星合の眼下ほどなく天空橋 ほしあいのがんかほどなくてんくうばし 七夕や小病を得て月白し たなばたやしょうびょうをえてつきしろし 二星逢う夜河の流れの轟々と にせいあうやがのながれのごうごうと 星合てすぐ別れたり橋の上 ほしあ…
梅雨明けぬ今宵男のクライシス つゆあけぬこよいおとこのクライシス 打ち捨てていいもの数多土用波 うちすてていいものあまたどようなみ 五十代あはは似合わぬアロハシャツ ごじゅうだいあははにあわぬアロハシャツ 夏風邪に浮かされている膝頭 なつかぜにう…
ひと疲れ梅酒ロックで飲み干せり ひとづかれうめしゅロックでのみほせり 下戸の母の漬けた梅酒で酔っており げこのははのつけたうめしゅでよっており 空港の別れビールがぬるくなり くうこうのわかれビールがぬるくなり 半夏きて女子高生に翼あり はんげきて…
手の中で砕けてしまえ去年の蝉 てのなかでくだけてしまえこぞのせみ 夏服に冷えた乳房を押し込めり なつふくにひえたちぶさをおしこめり 夏草にくるぶし沈む土手の午 なつくさにくるぶししずむどてのひる 【推敲】夏草にくるぶしすすぐ土手の午 寝覚めても寝…
飲み込まれゆく四肢白し夏の波 のみこまれゆくしししろしなつのなみ 愛されず愛しもせずで薄暑かな あいされずあいしもせずではくしょかな 地鳴して羽田に夜蛾の降り立てり じなりしてはねだにやがのおりたてり 阿鼻叫喚の別れ話や蕗折れり あびきょうかんの…
甘藍を抱く女らよ潮満てよ かんらんをだくおんならよしおみてよ 昨今、まわりには妊婦の多いことよ。 裸子を抱く我もまた裸なり はだかごをだくわれもまたはだかなり 10cc汝が幾億の白雨かな 10ccながいくおくのはくうかな S氏命名「写生句ならぬ射精句」………
地図にない場所ここらへん夕立てり ちずにないばしょここらへんゆうだてり もうすこし好きでいてねと月見草 もうすこしすきでいてねてつきみそう わたしが言ったんじゃないわよ。 みじか夜やぶつぶつぶつとジャムを煮る みじかよやぶつぶつぶつとジャムをに…
赦されてある雨の庭草茂る ゆるされてあるあめのにわくさしげる 海月ゆれてシェーンベルクのひと唸り くらげゆれてシェーンベルクのひとうなり 「ペレアスとメリザンド」の方な。 そのあとはもの言わぬきみ冷奴 そのあとはものいわぬきみひややっこ 「そのあ…
【第1回:12時間耐久(耐えてない)ひとり句会】 サルビアの花いま町は雨の底 サルビアのはないままちはあめのそこ 我もまた朱に交われり花石榴 われもまたしゅにまじわれりはなざくろ 短夜や遠くで始発のがたんごとん みじかよやとおくでしはつのがたんごと…
半袖に氷あんずの日となりぬ はんそでにこおりあんずのひとなりぬ 黄金比をさくりと箸で冷や奴 おうごんひをさくりとはしでひややっこ 夜半の月音して寂し冷蔵庫 よわのつきおとしてさびしれいぞうこ いま恋はアスパラガスを茹でており いまこいはアスパラガ…
洗い髪の芯やわらかく風孕み あらいがみのしんやわらかくかぜはらみ 蚊帳張るや恋に結界ある如く かやはるやこいにけっかいあるごとく 蚊帳の中月の寝顔はうすみどり かやのなかつきのねがおはうすみどり きみが五十の身を置き去りし蚊帳の中 きみがごじゅう…
向日葵の無気味な背たけ夜半の月 ひまわりのむいみなせたけよわのつき 場末たる冷やし中華や赤き文字 ばすえたるひやしちゅうかやあかきもじ ひと夏に3回は冷し中華を詠んでるなぁ。 昼顔やすっぴんのまま蕎麦ゆがく ひるがおやすっぴんのままそばゆがく だ…
肌ぬぎておとこ冥利の端居かな はだぬぎておとこみょうりのはしいかな 今どき軒端に床机出して夕涼み、なんて風情はとんと見かけなくなりましたね。 はつ夏や彼女の胸の薄さかな はつなつやかのじょのむねのうすさかな 午睡覚め犬、湾岸を看守せり ごすいさ…
笑い顔を思い出せずに月見草 わらいがおをおもいだせずにつきみそう きみ帰郷空豆茹でて待ち申す きみききょうそらまめゆでてまちもうす 蚕豆の莢に溢るる可愛さよ そらまめのさやにあふるるかわいさよ 天花粉赤子に戻りゆく我ぞ てんかふんあかごにもどりゆ…
父の日や薄きインテルに指切らる ちちのひやうすきインテルにゆびきられ wikipedia:インテル。 ままごとに猫と我とを昼寝させ ままごとにねことわれとをひるねさせ ままごとに呼びかけらるる金魚かな ままごとによびかけらるるきんぎょかな 子供にかかれば金…
蜜豆の豆よけている葦簀かげ みつまめのまめよけているよしずかげ よけているのはあとでゆっくり味わうため。子供か。 メロン食むや若きを悔やむ恋ばかり メロンはむやわかきをくやむこいばかり 悔やむほど若くない。
余花の身で揺れてしまえり路地の朝 よかのみでゆれてしまえりろじのあさ 「余花の身」か……そうなりたい、ひっそりと。 生温いトマトかむ歯の白さかな なまぬるいトマトかむはのしろさかな 羽田空港冷えた背越しに遠雷す エアポートひえたせごしにえんらいす …
咲く花も散る花びらも百日紅 さくはなもちるはなびらもさるすべり 浴衣飽く昨日今日明日回復期 ゆかたあくきのうきょうあすかいふくき もうすぐ「リハビリ」シリーズが始まるよ!(ホントかよ) 花火師や恋する耳は遠くなり はなびしやこいするみみはとおく…
五月晴れ恋は一句で捨ててよし さつきばれこいはいっくですててよし うろ覚えですが、コレ芭蕉が言ったんじゃなかったっけ?
長命の祖母呵々大笑夏ふとん ちょうめいのそふかかたいしょうなつふとん 「もうダメかも、喪服用意!」の号令が何度も掛かりながら、ばーちゃんまだまだ元気です。 たてよこに髪乱されて海南風 たてよこにかみみだされてかいなんぷう はつ恋はまだ消せもせず…
父と子の音程ずれし「夏は来ぬ」 ちちとこのおんていずれし「なつはきぬ」 【推敲】父と子の調子っぱずれ「夏は来ぬ」。 すれ違う樟脳の香や夏帽子 すれちがうしょうのうおのかやなつぼうし 「ラムネって何語?」彼女らの白き首 「ラムネってなにご?」かの…
花の名を覚えて忘れ百日紅 はなのなをおぼえてわすれさるすべり 花に名前をつける人+ポルノ映画のタイトルを考える人=素敵。 病床のながめるままにバナナ熟れ びょうしょうのながめるままにバナナうれ
言い訳のひとつもなくて籠枕 いいわけのひとつもなくてかごまくら 打ち笑い風に揺れおり芥子の花 うちわらいかぜにゆれおりけしのはな 会話止みアイスコーヒーぬるくなり かいわやみアイスコーヒーぬるくなり 目に青葉透けても見えぬこころかな めにあおばす…
山梔子の香や厚化粧まま夜半過ぐ くちなしのかやあつげしょうままやはんすぐ 夜匂うクチナシは厚化粧の女の匂いがする。 朝焼けて片目で笑う白い月 あさやけてかためでわらうしろいつき 天瓜粉でけさらんぱさらん飼いたがる てんかふんでけさらんぱさらんか…
早乙女は汐干の足の美しき さおとめはしおひのあしのうつくしき 季重ねじゃん!なので推敲後「早乙女は素足の脛の美しき」。久米仙人か! 夜濯の月に干したる産着かな よすすぎのつきにほしたるうぶぎかな 今「夜お洗濯」がナウでトレンディらしいですよ、お…