飲み込まれゆく四肢白し夏の波
のみこまれゆくしししろしなつのなみ
愛されず愛しもせずで薄暑かな
あいされずあいしもせずではくしょかな
地鳴して羽田に夜蛾の降り立てり
じなりしてはねだにやがのおりたてり
阿鼻叫喚の別れ話や蕗折れり
あびきょうかんのわかればなしやふきおれり
憎悪せり淋しき男の半ズボン
ぞうおせりさびしきおとこのはんズボン
朝顔の冷気を吐いてみな咲けり
あさがおのれいきをはいてみなさけり
荒梅雨や踏んばる犬の尾を曲げて
あらづゆやふんばるいぬのおをまげて
寝返りの乳房の軽み夏痩せぬ
げがえりのちぶさのかるみなつやせぬ