ひとり句会:夏

初蝉やエンジンかかるまでの数分
はつせみやエンジンかかるまでのすうふん


待つ気持ちいま向日葵と同じ丈
まつきもちいまひまわりとおなじたけ


うつぶせてSandburgと花火聞く
うつぶせてサンドバーグとはなびきく


手のひらのメロン熟れ落つ午前二時
てのひらのメロンうれおつごぜんにじ


恋すればぜんぶ差し出す素手素足
こいすればぜんぶさしだすすですあし


花火上がり下の名前で呼ばれ居り
はなびあがりしたのなまえでよばれおり


火の匂い髪に残して遠花火
ひのにおいかみにのこしてとおはなび


夏草に有刺鉄線ジェット吠ゆ
なつくさにゆうしてっせんジェットほゆ


空港に虹薄れゆく爆音も
くうこうににじうすれゆくばくおんも


去り難し羽田よ今日も朝曇
さりがたしはねだよきょうもあさぐもり