ひとり句会:春

解き放つものの芽すべて濡れてらし
ときはなつもののめすべてぬれてらし


野に放つ火の如く吾は恋をせり
のにはなつひのごとくあはこいをせり


恋鹿の恋始まりぬ落し角
こいじかのこいはじまりぬおとしづの


声あげて呼べども淡き春の月
こえあげてよべどもあわきはるのつき


春帆船舳先が風を割いてゆく
しゅんぱんせんへさきがかぜをさいてゆく