ひとり句会:春

遠巻きに猫つけまつげ八重桜
とおまきにねこつけまつげやえざくら


暗誦の手許の暗さ花冷えぬ
あんしょうのてもとのくらさはなひえぬ


春寒や若筍焼きのほろ苦さ
しゅんかんやわかたけやきのほろにがさ


男とは辛抱知らぬ桜かな
おとことはしんぼうしらぬさくらかな
散り際の潔さをホメてるの。


滲むほどに暗く咲き居り沈丁花
にじむほどにくらくさきおりじんちょうげ


はつ恋は酸いままあれよさくらん
はつこいはすいままあれよさくらん
甘く熟した思いならオトナになっていくらでも。


北の街片恋のままリラ咲けり
きたのまちかたこいのままりらさけり


春浅し恋の炎の膝枕
はるあさしこいのほのおのひざまくら