2009-01-01から1年間の記事一覧

ひとり句会:春(2009)

物理学落として春のドーナッツ ぶつりがくおとしてはるのドーナッツ 「若々しさ」と「絶望」と。 にぎやかに咲くふりーじあ母ひとり にぎやかにさくふりーじあははひとり いや、父も、いるんだけどサ。 八十八夜横に伸びゆく眠気かな はちじゅうはちやよこに…

ひとり句会:春(2009)

ルーヴルの絵と列びたり春疾風 ルーヴルのえとならびたりはるはやて もうご覧になりまして? 春眠や透けてゐるかのやうな朝 しゅんみんやすけているかのようなあさ 最近、また旧仮名遣いに戻しましたケド。 子を持たぬまま生きて良し紙風船 こをもたぬままい…

ひとり句会:春(2009)

二日だけ咲いては落ちて花辛夷 ふつかだけさいてはおちてはなこぶし 【改】二日咲き二秒で落ちて花辛夷 これも違うな。 さくら咲く舳先は北へ隅田川 さくらさくへさきはきたへすみだがわ 政府観光協会! 春暑し老船頭の首根っ子 はるあつしろうせんどうのく…

ひとり句会:春(2009)

東京に風立つころや蜆買う とうきょうにかぜたつころやしじみかう 兼題は「東京」。大層ムズカシイ。 鼻紙に包まるる東京花粉症 はなかみにくるまるるとうきょうかふんしょう ゴメンなさいね、他人事で。 背のびして脇腹かゆし其角の忌 せのびしてわきばらか…

ひとり句会:春(2009)

犬が寝て人も寝ており春彼岸 いぬがねてひともねておりはるひがん ひらひらとやわらかく咲き豆の花 ひらひらとやわらかくさきまめのはな 薄くてひらひらと咲くスイートピー、切り花は案外長もちするのよ。 オオイヌノフグリ可愛いや恋すれば オオイヌノフグ…

ひとり句会:春(2009)

脱ぎ捨てしセーターに似て猫日和 ぬぎすてしセーターににてねこびより だり〜ん、と寝てますね、猫は。 春寒やもう少しだけ猫を借る はるざむやもうすこしだけねこをかる 三寒四温、もう少しの辛抱。 影になり日向に落ちて猫の恋 かげになりひなたにおちてね…

ひとり句会:春(2009)

接吻をせよと言う名の菫かな くちづけをせよというなのすみれかな 三色すみれを「Kiss Me Quick」と言うそうな……くちびる突き出して「んー」ってしてる顔。 バレンタインおとこの色目清々し バレンタインおとこのいろめすがしがし 色目が清々しいとは……。 「…

ひとり句会:春(2009)

おかげさまで「ひとり句会」も2巡目です。いつもハイクにて☆をつけていただいてるみなさま、ありがとうございます。 朝寝する皺うつくしき寝顔かな あさねするしわうつくしきねがおかな 真結びの朝寝をほぐす珈琲香 まむすびのあさねをほぐすコーヒーか さす…

ひとり句会:冬

友来たり鍋より溢る冬菜かな ともきたりなべよりあふるふゆなかな 下手だ(笑)。もうちょっと何とかならんものか。 夜更けては街白くなり寒の雨 よふけてはまちしろくなりかんのあめ 浮気句会にて不調の1句名乗り。 散りやまぬ山茶花人も斯くの如 ちりやま…

ひとり句会:冬

艢綱を解けば男女に冬の波 ともづなをとけばだんじょにふゆのなみ モノクロ艶歌の世界。 昔男ありけり止まぬ咳をして むかしおとこありけりやまぬせきをして とっとと龍角散を飲むがいいです。 寝酒してからは無言で西東 ねざけしてからはむごんでにしひがし…

ひとり句会:冬

このごろは豆喰い切れず鬼やらい このごろはまめくいきれずおにやらい さすがにねぇ、喰えたもんじゃないです。○0粒も。 焚火囲いあちらとこちら二人称 たきびかこいあちらとこちらににんしょう 「焚火して呼びあう声や二人称」改メ。 かじかめる指折り数え…

ひとり句会:冬

風花というプレゼントあり睦月 かざばなというプレゼントありむつき 昨日のあられもない沈みっぷりから一転。 新雪にブーツ半分ほど埋まり しんせつにブーツはんぶんほどうまり 草色のコート拳を解かぬひと くさいろのコートこぶしをとかぬひと 半処女の胸の…

ひとり句会:冬

切り出せぬ話は胸に炭熾る きりだせぬはなしはむねにすみいこる 寒雷や寝て覚めて寝てまだ遠し かんらいやねてさめてねてまだとおし ひとたびに死を選ぶものあり寒鴉 ひとたびにしをえらぶものありかんがらす どうしようもない閉塞感……でも、ホントにダメな…

ひとり句会:冬

真夜中のコーヒー苦し冬の雨 まよなかのコーヒーにがしふゆのあめ 眠れないので。 友達と呼ぶあいまいさ時雨くる ともだちとよぶあいまいさしぐれくる 身のほどを知らぬ恋かも寒椿 みのほどをしらぬこいかもかんつばき セーターを目を閉じ抜ける暗夜かな セ…

ひとり句会:新年

誰が作りし雑煮あたためており夜半 たがつくりしぞうにあたためておりやはん 蕎麦と雑煮は関東風が好きです。 黙々と酒酌み交す五日かな もくもくとさけくみかわすいつかかな めでたさもそろそろ飽きがきて。 くちびるはヴァニラの匂い初寝覚 くちびるはヴァ…

ひとり句会:新年

煮ても焼いても食えぬ我が身ぞ初湯して にてもやいてもくえぬわがみぞはつゆして 本年もよろしくお願いいたします。 別れては御慶の声も憎きかな わかれてはぎょけいのこえもにくきかな たとえ別れても 大袈裟に咳してみたりひめはじめ おおげさにせきしてみ…