ひとり句会:夏

二十歳より酒あるうちの冷奴
はたちよりさけあるうちのひややっこ
其角に捧ぐ。


非日常を干すアロハシャツ翻る
ひにちじょうをほすアロハシャツひるがえる


ガス橋や浴衣娘の脛が往く
ガスばしやゆかたむすめのすねがゆく


こころあらず低く高くや夏の蝶
こころあらずひくくたかくやなつのちょう


女の背グラジオラスのように燃え
おんなのせグラジオラスのようにもえ


枇杷熟れてまた人恋うてしまいけり
びわうれてまたひとこうてしまいけり


きみ二十歳路地の苺の匂いせり
きみはたちろじのいちごのにおいせり


夏空やとり残された気持ちして
なつぞらやとりのこされたきもちして


酔眼の如く熱砂に眠り居り
すいがんのごとくねっさにねむりおり


夏休み日々何かしら記念の日
なつやすみひびなにかしらきねんのひ