ひとり句会:夏

愛憎が本気になるも大暑かな
あいそうがほんきになるもたいしょかな


別れの日アカシア煙るように咲く
わかれのひアカシアけむるよういさく


夏の恋波のかたちに居眠りぬ
なつのこいないのかたちにいねむりぬ


四十路きて鰻弁当の重みかな
よそじきてうなぎげんとうのおもみかな


喧嘩して家出してまま星涼し
けんかしていえでしてままほしすずし


呼びかけに振り向かぬ日よ夏あざみ
よびかけにふりむかぬひよなつあざみ


東京駅上微笑のような虹消えて
とうきょうえきうえびしょうのようなにじきえて