昨日今日明日散り咲くや百日紅
きのうきょうあすちりさくやさるすべり
ばら線に引ッ掛かっては夏の雲
ばらせんにひッかかっているなつのくも
痴話喧嘩誰かを名指し夜蝉鳴く
ちわげんかだれをかなざしよぜみなく
初めての舌を吸われしラムネ瓶
はじめてのしたをすわれしラムネびん
蝉しぐれ人喰川の穏やかに
せみしぐれひとくいがわのおだやかに
買い出しの足止められる夕焼けかな
かいだしのあしとめられるゆやけかな
腕まくら抜いてから寝る熱帯夜
うでまかうらぬいてからねるねったいや
夜の蝉や女は愚図で男莫迦
よのせみやおんなはぐずでおとこばか