ひとり句会:夏

谷中へと向かふ浮き足圓朝
やなかへとむかううきあしえんちょうき


吹く風に頬打たれたり鬼蜻蜓
ふくかぜにほおうたれたりおにやんま


白雨きて言葉の端の遠くなり
はくうきてことばのはしのとおくなり


見上げれば新宿卒塔婆夕焼かな
みあげれなしんじゅくそとうばゆやけかな


午睡さめ男の臍の冷え冷えと
ごすいさめおとこのへそのひえびえと


風鈴を鳴らして過ぎる美人かな
ふうりんをならしてすぎるびじんかな