ひとり句会:秋

終わりなきこと皺の手で青蜜柑(祖父に)
おわりなきことしわのてであおみかん
浮気句会にて。


歪みいる柘榴の中に悪魔いて
ひずみいるざくろのなかにあくまいて


颱風の目に見つめらる窓辺にて
たいふうのめにみつめらるまどべにて
浮気句会にて。


葡萄ひと房くちびるだけで触れていて
ぶどうひとふさくちびるだけでふれていて


恋人よ秋立つ夜はうつぶせ寝
こいびとよあきたつよるはうつぶせね
恋する処女もうつぶせ寝(古い)。