お月見句会:選句一覧(敬称略・数字は得票数)


【1席】思う君は東京にあり星月夜(4)
作者:田畑春牛
選者:弦月、酔月、は月、山下
句評:ストレートすぎる!好きだ!(弦月)
   同じ空を見上げる……遠距離恋愛か、片思いか。(酔月)
   東京以外の方の句だと邪推しているのですが、どうでしょう?(は月)
   きっとこの二人は同じ空を見ているんですね。(山下)

   
【1席】艫綱を解いて寂しき雨の月(4)
作者:斉藤無果月
選者:春牛、弦月、詠月、酔月
句評:女性の繊細さを持っているが、きっと男性の句だ。(春牛)
   非常にエロチックな句。後朝の残月のイメージ。(弦月)
   まだ温度の残った情熱を感じる。(詠月)
   別れの朝はこんな感じです。(酔月)


【2席】ゲヴェルツトラミネール月も葡萄色(3)
作者:羽良上詠月
選者:酔月、は月、山下
句評:軽快な感じとは裏腹に沈んだ赤い満月を想起しました。(酔月)
   葡萄に月は似合いますね。(は月)
   力技?のようにも……言葉尻の面白さに1票。(山下)


【2席】沙魚落ちて月の突堤風強し(3)
作者:山下和史
選者:春牛、無果月、まつだ
句評:月夜に突堤で釣りをする人は限定されるからなぁ。(春牛)
   自分の姿とシンクロした。(無果月)
   寒々しいけれど、月に輝く釣り人の姿が目に浮かびます。(まつだ)


【2席】月光の厨に立ちて秋刀魚焼く(3)
作者:あさふ酔月
選者:春牛、詠月、まつだ
句評:月光と、鈍く光る秋刀魚の対比がいい。(春牛)
   月はさぞ煙たかろうなぁ。(詠月)
   月光と秋刀魚、このコントラストがいいです。(まつだ)


【2席】月冴えにふためきて告ぐ来客や(3)
作者:寒河江弦月
選者:無果月、詠月、まつだ
句評:寂しげな句が多い中で、ちょっとしたサプライズ。(無果月)
   月夜に訪ねてくる客、慌てる家人の顔が浮かぶ。(詠月)
   寒い大地にポツンと建つ山小屋。不意の来客は熊?(まつだ)


【3席】くちびるの許りてさびしきおぼろ月(2)
作者:羽良上は月
選者:無果月、山下
句評:キスまで許されてなお寂しいとはこれ如何に。贅沢な。(無果月)
   汚したくない聖性、のようなものでしょうか?(山下)


【3席】立待ちて裂けるくちびる月寒し(2)
作者:まつだ菊
選者:弦月、は月
句評:人を恋うことの痛みを感じる。言葉は美しすぎるけど。(弦月)
   好きな人を待つ気持ちは、うれしさ半分、つらさ半分。(は月)

【参加者】田畑春牛、まつだ菊、(以上、川句会)、寒河江弦月、斉藤無果月、羽良上詠月、あさふ酔月、羽良上は月(以上、無花果亭句会)、山下和史


以上の皆様、ご参加いただきまして誠にありがとうございました。