結構孤閨《#hitori_kukai まとめ》

 
一塊の女となりて髪洗ふ
いつかいのおんなとなりてかみあらう

銭湯の屋根の見へぬ満月(無果月)


夜濯や天気予報と睨めつこ
よすすぎやてんきよほうとにらめつこ


花石榴音立てて堕つ花のまま
はなざくろおとたてておつはなのまま


後生楽切らるるままに鱧の骨
ごしようらくきらるるままにはものほね


昼寝して何ぞ損した気分かな
ひるねしてなんぞそんしたきぶんかな


昼路地の犬の昼寝を跨ぎをり
ひるろじのいぬのひるねをまたぎおり


秋暑し序曲「嫉妬」の大音量
あきあつしじょきょく「しつと」のだいおんりよう


夜静か鎮咳去痰星流る
よるしずかちんがいきょたんほしながる

後期高齢恋のたて引(春牛)