穴宿句会《新年詠》

旅初む始発に耳の目覚めたる
たびはじむしはつにみみのめざめたる

去年今年終日ダイヤ始発なく
こぞことししゅうじつダイヤしはつなく

初湯して生まれ変われるうなじかな
はつゆしてうまれかわれるうなじかな

会話途切れ電話の向こう冬の雷
かいわとぎれでんわのむこうふゆのらい

瓦斯橋の自転車押され風花す
バスばしのじてんしゃおされかざばなす

冬服のポケットの中指立ててみせる
ふゆふくのポケットのなかゆびたててみせる