浮気句会
さしあたり無事で何より桜鍋
さしあたりぶじでなによりさくらなべ
無職なる軽さに耐えて日向ぼこ
むしょくなるかるさにたえてひなたぼこ
吸殻に未練ありあり冬菫
すいがらにみれんありありふゆすみれ
浮気句会《新年詠》
早々に指切られたり初暦
そうそうにゆびきられたりはつごよみ
初旅やみじかい箸にぬるいお茶
はつたびやみじかいはしにぬるいおちゃ
立ち食いの蕎麦待つ二分懐手
たちぐいのそばまつにふんふところで
ひとり句会:冬(2010)
止まり木の会話途切れし寒鴉
とまりぎのかいわとぎれしかんがらす
湯ざめして眠りの淵の遠ざかり
ゆざめしてねむりのふちのとおざかり
穴宿句会《新年詠》
旅初む始発に耳の目覚めたる
たびはじむしはつにみみのめざめたる
去年今年終日ダイヤ始発なく
こぞことししゅうじつダイヤしはつなく
初湯して生まれ変われるうなじかな
はつゆしてうまれかわれるうなじかな
会話途切れ電話の向こう冬の雷
かいわとぎれでんわのむこうふゆのらい
瓦斯橋の自転車押され風花す
バスばしのじてんしゃおされかざばなす
冬服のポケットの中指立ててみせる
ふゆふくのポケットのなかゆびたててみせる
新年詠
おめでとうに「さん」をつけたし今朝の春
おめでとうに「さん」をつけたしけさのはる
あけましておめでとうございます。
本年もMondreitmädchenを宜しくご贔屓に。
lazyhip 拝
ひとり句会:冬(2009)
第九近し寝言ドイツ語訛りにて
だいくちかしねごとドイツごなまりにて
熱燗や添いたるものの髪白く
あつかんやそいたるもののかみしろく